溶融亜鉛めっきのメリット
溶融亜鉛めっきには4つの優れた特性があります
1.耐食性に優れています。
溶融亜鉛めっきは緻密な保護皮膜により腐食物質の浸透を防ぐと共に、電気化学的な作用により、小さなキズが生じても錆の拡大を防ぎ、大気、土壌、海水等あらゆる環境のもとで鉄を錆から守ります。
■溶融亜鉛めっきの使用環境別 推定腐食速度
ばく露試験地域
| 平均腐食速度
(g/㎡・年) | 耐用年数
(年) |
都市工業地帯
| 8.0
| 62
|
田園地帯
| 4.4
| 113
|
海岸地帯
| 19.6
| 25
|
備考
- 上記の数値は、社団法人日本溶融亜鉛鍍金協会による10年間(1992~2002年)の大気ばく露試験結果 から計算した。
- ばく露地
都市工業地帯 :横浜市鶴見区
田園地帯 :奈良県桜井市桜町倉橋
海岸地帯 :沖縄県中頭郡中城村 - 耐用年数は、亜鉛付着量550g/㎡ の場合であって、めっき皮膜の90%が消耗するまでの期間を計算した。
2.密着性に優れています。
溶融亜鉛めっきは鉄素地と亜鉛の合金反応によって強固に密着していますので、衝撃や摩擦によりはく離することがありません。
(めっき層の断面組織)
3.経済性に富んだ防食方法です
溶融亜鉛めっきは数年周期で塗替えが必要な塗装に比べて、加工以降の補修がほとんど必要ないためコスト、耐久性を考えた場合、最も経済的な防食方法です。
4.隅々までめっきができます
めっき層に全体を浸漬してめっきを行いますので、パイプやタンクの内面や複雑な構造のものでも隅々まで溶融亜鉛がゆきわたり、亜鉛被膜が形成されます。
JIS H8641溶融亜鉛めっき(品質規定)
種類の記号 | 膜厚(μm) | 適用例(参考) |
HDZT 49 | 49以上 | 厚さ1mm以上の素材、直径12以上のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを越える座金 |
HDZT 56 | 56以上 | 厚さ2mm以上の素材 |
HDZT 63 | 63以上 | 厚さ3mm以上の素材 |
HDZT 70 | 70以上 | 厚さ5mm以上の素材 |
HDZT 77 | 77以上 | 厚さ6mm以上の素材 |
【備 考】
適用例の欄で示す厚さ及び直径は、公称寸法による。